白桜だより

届けたいこと、遺したいこと

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切れる縁は切れる。 切れぬ縁は切れぬ。 

切りたいと願うたわけではないにもかかわらず
切れてしまった縁は、ある。



それも、穏やかならぬ切れ方で。
もう二度と戻ることは無いであろう修復不能な深さでもって。


その切り口があまりにもギザギザしていたから、
縁が切れた後もそのギザギザで傷付いた。

時にはギザギザから毒が染み出して傷口を化膿させることもあった。
更に化膿菌が新たな化膿を引き起こすような悪循環も、あった。


何度も、負けかけた。
傷の痛みが自分を見失わせるようなこともあったろう。

痛みを抑えるために。
痛みを忘れようとして
傷を見ないようにした。
視界に入れども意識から抹消しようとした。

完全に、全てを無に帰そうと、半ば我を忘れて躍起になった。


しかし消そうとすればするほど
傷の像は鮮やかになり

塞ごうとすればするほど
切り口は広がり

止めようとすればするほど
黒い血は流れ出た。

やがて黒く深く濁った泥だまりが、淀んだ湖になった。
底を見ようと覗き込むとも目に入るのは、がんじがらめの水屑のみ。



切れた、縁。

もう、元には、戻せない。


どうして、こんなことになったのか。
なにが、こんなことにさせたのか。
明るくて、ただただ心長閑に笑っていた日々は

いつを境に、砕け散ってしまったのか。

もう、元には、戻れない。



傷口の縫合も試みた。
効き目があるかもしれない薬は副作用も覚悟で、投薬に踏み切った。


しかし、もはや。そこに、息は無く。
空しく屍に点滴を入れ続けているに、同然だった。



屍は、蘇らない。



蘇るとも、もはやその骸(むくろ)にかつての輝く心は宿っていない。



縁は、死んだのだ。




縁の死は、受け入れ難かった。
決して、容易では、なかった。

罪悪感が、消せなかった。
私が悪かったのだという思いが何をもってしても拭えなかった。
ひどいことをしたと思った。
自分の大人気なさに嫌気が差した。

その心の反対側で。
相手を憎んでしまいそうになる心境も否めなかった。
相手のせいにしてしまおうとする自分の情けなさに更に失望した。

しかし、目に見えぬ何か、が、もう、限界であった。

もう、勘弁、してください・・・。

そして 私は 逃げた。
逃げて、しまった。
後先考える余裕はもう、残っていなかった。
何も、何も考えていられなかった。
ただ、気がついたら、「逃げて」いた。
それが「今まで」を、砕いた。
「ヒビ」では、すまなくなった。

その事実を、信じたくなかった。
思わず、目を逸らした。
すれ違うたびに、互いに視線を殺した。
忘れ去るしかないように。
そう。
その縁は、初めから存在しなかったのだと・・・。



縁の死がこれほどまでに痛む傷だと思わなかったから
戸惑った。

泣きたい気持ちすら起こらなかった。

もはや蘇生できぬことを悟った今、
既に修復するという考えは、重い石の下に埋めていた。

…そこに、ほんの少しだけほっとしている私もいたけれど…。

それでも、それ以上にあまりにも苦しすぎたから。
苦しさをただ、忘れたくて。

その石の下には、十数年間のある種懐かしさを伴う幼少期の思い出も、
一緒に生き埋めにした。




縁は、最後まで
息を吹き返すことはなかった。

















時の流れという穏やかな冷却剤の力を借りて、今。
冷静なまなざしで見返してみれば、
非は、互いにあったのだろう。
紛れもないことには、相手にだけでなく、
私自身に非があったのは…言うまでもない。
だが…その所在は…私だけにあるわけでも、なかった。
Not only ... but also ... .
申し訳ないけれども…確か、に。



しかしだからと言って、自分の非を忘れ去ってしまえるほど都合のよい心骨を
残念ながら私は持ち合わせてはいない。

また、忘れてしまおうとも思わない。

それは忘れてしまえないから忘れないということ以前に、
忘れてはならないものであるはずだ。

但し…
あまりにも、それに囚われ、束縛されて身動きを取れなくなってしまったのでは…
これも…よくはないであろう…。


もちろん、、過去を見ればがんじがらめになったし、折れそうになったし、
先を見れば、再びそうならないとは言い切ることはできないけれども、

でも、私も生きていくことには、
からまっているばかりでもおれぬので…。


石の下に埋めて、ゆっくりと土になりつつある屍は
肥やしにしてゆかねばなるまい。

埋められた縁は、煩わしいほど微々たる量ずつしか進まないけれども、
しかし…ゆっくりとではあるが…確実に、静かな土となりつつある。


その肥やしは
二度、同じ過ちを繰り返すことのなきようにとの諫(いさ)めであり、
新たな視界という芽を生み出す種でもある。


今まで、縁の屍は土の糧にもならぬ何の意味もない、
消し去らねばならない害をなすものでしかないのだと思い込んでいた。

できれば、こんな黒くてどろどろしたもの
一生のうちで見ずに、手にせずに、関わることのないまま死んでゆければ
それに越したことはないのかもしれない。
否、越したことはない、のだろう。

けれど、果たして…それらに関わらずに一生を過ごしきることは可能なのだろうか。
可能なのかもしれない。


しかし、それらに関わらずに過ごしきる人生よりも、
已むを得ず関わることになってしまった人生のほうが
はるかに見つかり易いのではなかろうか。

だから…というわけでもないけれど、
それでも、縁の死に直面することを怖れる必要はない、と思うのだ。
それは…そういうものなのだと…私は、思っている。
なるべくして、なったものであるのだと。
無論、切らずに済む縁をみすみす切ることを主張したいわけでは断じてない。
「縁」は…私自身、大切にしたいと思っている故、大切にしているつもりである。

ここでいう縁の死とは、望まずとも、どうにもならなくて切れてしまった縁のことであると、どうか考えていただきたい。

(矛盾したことを言うようだが、もちろん、時によりその中には
自らの意思で断ち切った縁も含まれる場合もあるだろう。)

けれど、
残念ながら死んでしまった縁であっても…
決して、無駄ではないようだ。



正直、縁の死は怖い。

私などよりもっともっと…
つらい縁の死を経験なさった方々は大勢いらっしゃるに違いない。
だから…私はとても大きなことを言える立場ではないけれども。。
私自身が、感じたことを綴れば。


縁の死は悲しかったし、つらかったけれども、
その縁が切れたおかげで、
私は、今在る縁のありがたみを思い知ることができた。

縁の死が、私の未熟だった部分を晒け出してくれたから、
私は、縁が切れる前よりも成長することができた。

その縁の死が、
どうにかしようとしても、どうにもならないことは本当にあるのだ
ということを教えてくれたから、
思い上がる傲慢さを抑えて、謙虚さを深めてくれたし、
どうにもできないことに目を向けるのではなく、どうにかできることを
どうにかしようと努めるように行動すべきであることを、覚えることができた。




土に埋まった屍は、確かに。
意義ある肥やしとなって、生きる知恵という栄養を
私に供給してくれたのである。


縁の死も、…決して。
無駄なものでは、なかった。







時間は、かかった。

月日は、流れた。


けれど、屍と化した縁も、糧になることを知った。

切れた縁のおかげで、今在る縁を大切に思えるようになった。


だから・・・
縁の死を、必要以上に怖れることはないと思う。

切れる縁は、どうあっても切れるように。

切れぬ縁は、どうあっても、切れないはずだから。


私は…今ある縁を…大切にしたい。







…やっと、ひとつ。
また。
心の整理がついたみたいです。^^*


2008/1/9   2:08am





この記事に対するコメント

思ふ。

縁の死。
出会いと別れを繰り返すのが人生だとして、
そして生まれて死ぬのが人生だとして。
それは一歩を踏み出すために
大地から足を離すのと同じ意味を持つのだと
僕は思います。

誰も、今と同じ場所に留まることはできない訳で。

だからこそ、僕たちがそこにいたことは、
縁の屍を超えてきたことは、
無駄なことではなく。

今のために消えたなにかがあったことを、
忘れないでいてください。
時間を重ね、消えそうなくらい見えにくくなっても。


とか、きれいな日本語を読んだら、
きれいな日本語を書きたくなりました。

おそまつ。

juni #eMkLRZRc | URL | 2008/01/09 23:27 * edit *

「今」をみつめながら。

拙い心のメモをお読みくださって、
そして染み入るコメントを残してくださって…
どうもありがとうございます。m(_ _。)m

「一歩を踏み出すために 大地から足を離すのと同じ」
「『今のために』消えたなにかがあった」
そう…ですよね。
消えた何かがあったからこそ、
現在の今がある…。

なんだか…とてもほっとしました…*

「消えそうなくらい見えにくくなっても」
…忘れることのないように…。

また、歩いていける気がします^^
今を作ってくれた過去を、そっと心の内にしまって…
そして、手に入れた「今」を、まっすぐに見つめながら…*

さくらねこ #mgLk9fb6 | URL | 2008/01/10 17:34 * edit *

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