白桜だより

届けたいこと、遺したいこと

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白い雨。 

(うら夢メモ。)




雨の音で、目が覚めた。
冷えた空気が、身に染みた。


また。夢の中で彷徨っていた・・。



見果てぬ夢を追い。
つかめぬ彼方に手を伸ばし。
現実の時間と引き換えに、
脆く儚く、掴みようのない目に見えぬ空間に、
なぜ、
滞在しようと試みてしまうのか・・・。





白い街灯の明りは、霧がかかっているわけでもないのに
おだやかなぼかしをまとって、やんわりと真昼の薄い空気に
光を与えていた。



緑と青が視界のほとんどを塗りこめるその岬は、
ほぼ廃墟と化したクリーム色の瓦礫を其処彼処に点在させて、
海から送られてくるいくつもの風の束に
何の抗力を発することもなく、吹かれるままに、ただ、すわっている。


向かい合わせに座るかたちの薄暗い電車の中で、
迷子の少年と出遇った。
いくらかの会話をした。
とても親しくなった。



廃墟の中の広さは空間の限界をまったく気に留めることもなく、
そこにいることに不思議を感じることすらなく。
隠された通路のねじれをくぐって行き着いた木の床の部屋には
何か見慣れぬモノが居たような気がする。
それはとてつもない強さで。



どうやってその店にたどり着いたのかが思い出せないが、
その落ち着いたバーのようなレストランには
大きめの水槽の中を、浮かんだり沈んだりして、
変わった鳴き声を発したりもする、2頭のいのししのようなものが
仲がよいのか、さしてそれ程でもないのか、よくわからない風を呈して
ぷくぷくと泡を水面に送っていた。
時折、水面の上に、音をたてて顔を出したりもした。
水しぶきは、目に見えるれども、それに濡れることはなかった。





薄い色の花を敷き詰めた日時計の上で団体の記念撮影をしたとき。
さやさやと、静かな雨が降ってきたのは、
現実でも雨が降り始めたからであろうか。




あいまいな記憶の中で、しかしそれははっきりと・・・。
ただ、私の中だけで・・・。



分かれてゆくのは寂しかった。
旧来の親友と、二度と会えない別れを交わしたかのようだった。

きっと、もう会うことはないだろう。
また会えるだろうか。

けれど、今日、遇うことができた。
白く薄い世界の中で、たしかに、私はだいじな思い出をもらった。


ありがとう。



それは白い雨が降り始めた中で。





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